About


自然写真家   山田雅幸
Nature Photographer  Masayuki Yamada

1971年生まれ
札幌市在住
・日本自然科学写真協会(SSP)会員
・日本写真著作権協会(JPCA)会員
・ニコンプロフェッショナルサービス(NPS)会員

情報処理系企業に勤める傍らで長年に渡って北海道の野生動物を主とした自然写真
の撮影に取り組む。
その後、地元北海道の自然に更に深く関わる為、撮影活動を充実させる為に企業を退社。
国立公園でヒグマに関わる業務を数年間経験したのちに「山田雅幸写真事務所」を設立し、
フリーの写真家として独立。

作品は写真展、書籍、出版物、インターネットコラムサイト等に発表


― 北海道の「原生自然」の姿を求めて ―

これまで長年生まれ育った北海道の地で自然を求める旅を何度も続けてきました。
「旅」と言っても自分も暮らしている小さな島の中での事だから、決して大きな旅で
はありません。
でも、未だ原生自然が多く残るこの地では、わずか数日間という時間があれば
全く文明の行き届いていない深い自然の懐に入ってゆくことができます。
ザックの中にテント、寝袋、食糧、そして撮影機材を詰め込んで山に登る。
山の上で目にするのはどこまでも連なる稜線や遠くに浮かぶ海の景色。
一日中稜線を歩き続けても誰にも出会わずして終わる一日もあります。
そんな時は北海道はなんと素晴らしい土地だろうと実感します。
僕はいつもこの深い自然の中に静かに身を置いて動物達の姿を待ちます。
「待つ」というよりは景色を眺めながら自然の中に溶け込み、佇んでいることの
多いだろうか・・・。
そしてこの瞬間にいつも感じることは、慌ただしい私達の社会の傍らで、太古
から変わらない原生自然の世界が存在しているということです。
北海道はその両極の空間が隣り合わせで存在している素晴らしい土地です。
私の写真活動は、この対照的な2つの空間に身を置くことによって、改めて感じる
思いが作品の創造へと繋がっています

― 太古の北海道を探る ―

北海道には本州とは明らかに異なった北方系の風土や生態系が確立しています。
その成り立ちや人間や動物の起源を知る為に北海道の歴史を辿っていくと、
様々な興味深いことがわかってきます。
遥か昔、旧石器時代に氷河期によって陸橋となった間宮海峡や宗谷海峡を経て、
ユーラシア大陸北部から北海道に渡ってきたマンモス動物群や北方系動物群。
そして、彼らを追い求めて同じ経路で北海道にたどり着いた最初の人々。
動物達は絶滅や進化を繰り返しながら、その一部は太古に近い姿で今も北海道
に生き続けています。
そして、人間も長い時の中で北アジア、サハリン、アリューシャン列島との往来に
よって幾種もの民族が接触し、のちの縄文人やアイヌへと変貌を遂げてこの地に
住み続けてきました。
狩猟民族であった北海道の先住民は自然界から様々な恵みを採取する一方で、
動物達に深い畏敬の念を抱き、それらを神の化身として崇めてきました。
そのような考え方は、人間が自然との境界を保ち、自然が崩壊しない為の理想的
な思想だったのではないだろうか。
では、私達はどうでしょう。
生活が自然から離れてしまった今の時代、私達にとって野生動物の存在は
どのような意味を持つのだろうか・・・。
新しいことばかりに目を向けがちな今の社会ですが、もしかすると自然界との調和
を保つ為には、もう一度過去との繋がりを取り戻し、先人達の思想を学ぶことが
必要なのではないだろうか。
私はそのような思いを胸に、これからも北海道の豊かな自然の象徴である
野生動物の姿を記録し、先人達が残した足跡を辿ってゆこうと思います。